除夜祭・歳旦祭で二年参り

とき
もういくつ寝ると、お正月~♪
子どものころから、お正月を迎える頃になると何だかいそいそと嬉しい気持ちになったものですよね。そもそもお正月は「歳神様」を迎える大切な行事と言われています。ちなみに12月31日の夜に撞かれる「除夜の鐘」の「除夜」とは大晦日の夜という意味です。年越し蕎麦を食べたり、紅白歌合戦を見たり……大晦日の夜からお正月にかけての過ごし方は人それぞれ。なかには毎年必ず「二年参り」をするという方もいるのではないでしょうか。

夜の神社の雰囲気にワクワク

大晦日の夜から元日にかけて、宝徳山稲荷大社の「除夜祭」と「歳旦祭」に参加してきました。行事はすべて屋内で行われます。雪の降る寒い中で行列を……ということはありません。
夜の神社は何だかいつもと雰囲気が違います。大きな提灯にともされた灯りが、朱塗りの鳥居を照らしている様子は厳かで美しく、この光景を見るためにだけでも、ここに来てよかったと思う一瞬でした。
なお建物内は撮影禁止となっておりますが、今回は特別に許可をいただいて撮影させていただきました。

除夜祭

まずは、新年までもう間もなくという23時30分から「除夜祭」が執り行われます。
祭壇には紅白の重ね餅がびっしりと飾られています。邪気魔気を祓う赤、穢れなき白を使ったこのお餅は、とても縁起の良いものとされています。
4人の巫女さんたちによる奉納の舞「浦安」に思わずうっとり。和の美を感じました。ちなみに、「浦=心をさす古語」で、うらやす=心の平穏を表す日本語だそうです。

祭りは滞りなく進み、祭事中に新しい年を迎えることとなりました。
除夜祭の最後に、参加者たちは自分の名前を神様に伝えた後に「心願成就!」「受験合格!」など、願い事を言いながら、太鼓を1回ドンと叩きます。

歳旦祭

引き続き「歳旦祭」へと祭事は進んでいきます。新たな年を迎えるにあたり、今年の繁栄と安泰、豊作祈願、健康などをご祈願する行事です。
いちばん心に残ったのは内陣で行われる「鳴弦神事」です。「弓を鳴らして、床を踏みならして、邪気を払います。耳を澄ませてお聞きください」と説明がありました。元日の深夜、静まり返った神社に弓の弦を鳴らす音が響きます。かすかな音ではありますが、確かに耳に届きました。一説によると、この「鳴弦」は起源が平安時代にさかのぼると言われており、あの「源氏物語」にも登場する神事だとか。身の引き締まるようなひとときでした。

最後に宮司さまから「今年の言葉」が伝えられました。平成30年は「胸中成竹」。これは「竹の絵を描くときには、まず先にその姿を心の中で描いておいてから筆を取るように」という故事で「何か事を為すときには、成功の見通しを立てて準備することが大切」という意味があります。「IT化の急速な波は私たちの予想を超えたスピードで進んでいます。時代を見据えた生き方をしましょう」というメッセージをいただきました。

二年参りが終わって

神社では今年の干支の置物に目が止まりました。さらに外ではお好み焼き、たこ焼き、うどんやお蕎麦の屋台も!もちろん、お正月を迎えるにあたり、神聖な神事に参加するために訪れた場所ではありますが、可愛いもの、おいしいものと、お楽しみもちゃんとありました。
神社でお正月を迎え、厳かな気分で年越しをすることができました。外に出ると、空には綺麗な月が浮かんでいました。何だか平成30年は良い1年になりそうです。

除夜祭・歳旦祭

除夜祭 12月31日 午後23時30分
歳旦祭 1月1日 午前0時30分

http://www.houtoku.or.jp/event/ninen/

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